そうまとうのようなもの

 記憶の始まりは小6の時。
 遊園地の約束を破られて不貞腐れたオレを置いて親は出かけていった。どうしても行かなければならない仕事で、それが終わったら美味しいものを食べに行こうと言われた。
 けれど、ずっと待ち望んだ遊園地に敵うものはない。次の休みに延期されようとも、ご機嫌とりにおもちゃを買おうと言われようとも。
 今日、今、これから遊園地に行けないのが納得出来なかった。
 頭ではわかっている。どんなにごねたところで、じゃあこれから遊園地に行こう、とはならない。なったところで心から楽しめる気もしなかった。
 初めから失敗に終わっていたのだ。遊園地の約束を破られた瞬間から。
『じゃあ、もうお留守番しててね』
『ごめんな』

 頭ではわかっている。
 あの時オレが聞き分けよくしていたらこんなことにはならなかった、わけではないと。
 高速道路で玉突き事故に巻き込まれた二人はオレを置いて死んでいった。
 誰に何を言われても、オレには理解できなかった。
 なにが悪かった?誰も悪くなかった?じゃあどうしてオレは一人なの?オレが悪い子だったから?

 大人たちがなにかをオレに言っていたけれど、オレはそれらの一つも耳に入らなかった。同い年ぐらいの子供たちと一緒に遊びたかったけれど、そんな雰囲気でもない。
 親が死んだことだけわかった。
 散々不機嫌にして八つ当たりしたおかげで親が死んだのかと思うと涙も出なかった。
 どうしてオレを置いていったの、オレも一緒に死にたかった。なんて口が裂けても言えない。大人たちが困るのがわかっていたからだ。
 泣いても、笑っても、怒っても、何をしても許されない気がした。どんな言葉も誰かを傷つける気がした。
 でも、そんな空っぽになったオレを見て大人は悲しむから、オレは大人が欲しがる表情を、言葉を選んで形にする。
 元気に振る舞う可哀想なオレを、憐れむ大人たちが薄気味悪い。

「灯、外行こう」
 手を握って連れ出してくれたのは金烏だった。
 金烏とは昔二回だけ遊んだことがあったけれど、その二回がすごく楽しくて、オレは金烏のことが好きだった。
 二人で手を繋いで歩く。金烏は高校生で、小学生のオレと手を繋ぐのは少し身体を屈めなくてはいけなくて大変そうだった。
 それでもオレは手を離したくなかったし、二人でとぼとぼ歩くのがなんとなく落ち着いた。

「灯、うちに来なよ」
 ブランコに座る金烏の膝に座って、キイキイと揺れる。すごく眠たくなるような心地の良い揺れで、ずっとこのままがいいと思った。
「親父に頼んでみるから。灯も、それがいいだろ?」
 ブランコがキイキイ揺れる。金烏の腕がオレを抱きしめた。後頭部にこつんと頭が当てられる。
「俺が、ずっと一緒にいるよ。だからそんな顔すんなって」
 どんな顔をしていたのかわからないけれど、目頭が熱くなって一気に涙がこみ上げた。
「ん……」
 びっくりするくらいの勢いで鼻水も出て来て、だからオレはうんうん頷くしか出来なかった。
「決まり」
 もう無くしたくないと思ったから、オレは金烏の手を握って離さなかった。

 血の繋がりは欠片もないのに、引き取ってくれた金烏の家族には感謝しかなかった。
 金烏の父親とオレの父親が学生時代の親友だった。お互いの子供と会って遊んだのは二回きりだったが、本人たち自身はたまに会って酒を酌み交わしていたそうだ。
 もういない父親の事を後から知るのは、嬉しいような切ないような気持ちになった。そんな話を聞かされても、そうなんだ、と答えるのが精一杯だった。
 そうなんだ、でももういない人でしょう。
 大きな喪失感で暫くは夜も眠れなかった。金烏はオレをベッドに上げて、一緒に寝てくれる。
 金烏の腕枕に頭乗せ、金烏のもう一方の腕が身体を抱き寄せてくれる。特に話すでもなければ、オレは相変わらず眠れないし、金烏は先に寝てしまう。
 それでも良いんだ、と思うと身体の力は抜けて、少しづつ眠れるようになった。
 眠れるようになってからも一緒に寝て貰うのは騙しているようで罪悪感があった。
 でも、それがバレても金烏は「俺も一緒に寝たいの黙ってたから、おあいこな」と言ってくれた。そんなだから、オレが高校に入る直前くらいまでは一緒に寝ていた。

 中学、高校とサッカー部に入ったのは金烏の影響だった。金烏もまたサッカー部で、部活帰りに合流してボールを蹴ったり、試合を見に行ったりした。
 何も無くしたくなかったオレは、勉強もサッカーも家族としても、良い子供になれるよう努力した。その努力とは無関係に、家庭は崩壊していったけれど。
 オレが高校に進学する少し前から、金烏と両親との折り合いが悪くなっていった。
 本当は水面下で、ずっと衝突が続いていたのかもしれない。オレは蚊帳の外で、どんな努力も笑顔も空回りし続けていたのだ。
 理由は色々あった。金烏の母親からオレはあまり気に入られてなかったらしい。それに対して、金烏と父親はオレの味方についてしまったから、夫婦仲は劣悪になっていく。
 金烏と父親の仲も悪くなっていく。金烏が大学を中退し、悪い連中と付き合いだしたからだ。
 夜遊びや朝帰りは当たり前になった。オレが望んだから家から出て行かなかったけれど、金烏は殆ど帰らない時もあった。
 他の何を失ってでも、金烏を失いたくなかったオレは必死で縋った。出来ることはなんでもした。他の大人の前では上手く取り繕えたのに、金烏の前では駄々を捏ねる子供にしかなれなかった。
 けれど結局、最後の一撃を加えたのはオレだった。

 始めに気付いた違和感はにおいだった。金烏の使う香水とは違う香水の匂い。それから汗と、オナニーしたあとのあのにおいがした。
 顔がカッと熱くなる。想像は容易かった。金烏が誰かとセックスしている。オレの頭の中で激しく腰を打ち付ける金烏がエロすぎて、オレの心臓はバクバクと鳴った。
 兄貴のセックスシーンを想像して、どうしてこんなに興奮しているのか。理解できない自分自身をなだめるのに必死だった。想像の金烏はなかなか消えてはくれない。
 冬休みに入る頃だった。雨に近い雪が降って、部活は早めに切り上げられる。
 玄関には金烏と誰かの靴が置かれている。声は聞こえなかったが、妙にシンとした家全体が不気味だった。
 オレはなるべく音を立てないよう息を潜めた。自分の部屋に入るには、金烏の部屋の前を通るしかない。だからこれは、仕方ないんだーー誰に向けてかわからない言い訳をしながら。
 おあつらえむきに、金烏の部屋の扉は少しだけ開いていた。悪趣味だとわかっていながら、覗かずにはいられなかった。
 相手は誰なの?どんなセックスをするの?好奇心は猫も殺す。それでも抑えられないのが好奇心だった。
 部屋の隙間から残り香がした。金烏のと違う香水は、いつもの誰かのものだとわかった。
 不意に頭をよぎったのが、玄関にあったのは男物の靴だ、ということ。
「あっ、あっあっああっーー」
「くっ……」
 ビクッビクッと金烏がイっている。相手は男で、そいつもイっていた。
 金烏はずるりと引き抜くと、性器に付けたゴムを外して付け替えて、もう一回と言う。
 相手は少し疲れた顔で、満更でもないように微笑んだ。
 イったばかりなのに上を向いた金烏の性器が卑猥だった。四つ這いになった相手を後ろから犯す様は獣みたいだった。
 廊下は寒く凍えるほどなのに、身体は熱くて興奮していた。金烏から目を離せない。
 オレは今何を見ている?感情を重ねているのはどちらに?

 息を殺して必死に部屋に入る。隣の部屋の壁に背中をつけて耳をそばだてた。
「あっ……ん、金烏、金烏……」
 ギシギシとベッドが軋む音が激しさを物語っている。
 胸がズキズキした。心臓が早く動きすぎて気持ち悪い。それなのにオレの性器は、馬鹿みたいにガチガチになった。「ふ……う……かな、と……」
 こっそり呟いて自身を握る。
 さっきの金烏が目に焼き付いて離れない。あの声で、手で、腕で強く抱きしめて犯されたい。脳の片隅でそう思った。
 二回イっても興奮は収まらなかったけど、虚しくてたまらなくなったから、オレは無理やりベッドに横になる。
 隣ではまだギシギシしている。
 さっきはあんなに興奮したのに、今は胸がじりじりと締め付けられて苦しかった。
 金烏の相手がオレじゃないのが、どうしようもなく嫌だった。

「ねえ、どこ行くの」
 玄関で靴を履いて出かける用意をしている金烏に声をかける。
 家族仲は最悪で、みんなは外に居場所を作っていた。どこにも居場所のないオレだけが、この家から離れられないでいる。
「オレも連れてってよ」
 直接頼んだことはなかった。金烏はなるべくオレと顔を合わせるのを避けているようで、この会話だって何日ぶりかわからない。
「だめ」
 金烏は言いながら立ち上がった。
 オレはその答えを予想していたから、連れてってよと言いながら、外に行く準備は少しもしていなかった。
 金烏は振り返ってオレの頭を撫でた。
「灯はいい子で待ってな」
「……」
 その言葉が心の琴線に触れたらしい。怒りと悲しみの混ざったものが込み上げて、目頭が熱くなる。絶対に泣きたくはなかったから、口を開いてゆっくり深呼吸した。
 金烏の手が頭から離れるのが寂しい。
「いい子にしたってダメだったじゃん」
 オレが聞き分けのない悪い子だから親は死んだんだろ。だから今度はいい子にしたのに。親に褒められたくてテストで良い点とった。金烏がまた見てくれると思ってサッカー部でも活躍した。
 でもまだオレは足りないのか。
「金烏だってオレを置いてくじゃん」
 一緒にいるって言ったのに。
 喉から出かかった言葉を必死に飲み込む。こんな呪いみたいな言葉、重くてドロドロで胃の中がズンと重くなるようだった。
「置いてってないよ」
「もう一緒に寝てくれないじゃん」
「男二人で寝られないだろ」
「男とセックスしてたくせに」
「……」
 オレの言葉に金烏は驚くでも恥ずかしがるでもなかった。なんだバレてたのか、みたいな顔で平然としている。
「オレとも寝てよ……オレともセックスしてよ」
「出来るわけないだろ」
「なんでだよ」
「灯は弟なんだから」
「血も繋がってない赤の他人なのに? だから、だからオレのことも置いてくんだ……ああ、違う、本当のお父さんとお母さんだって、オレのこと置いていった……なんだよ、みんな、オレのこと置いてく」
 また頭を撫でて慰めようとでもするんだろう。金烏が手を伸ばしてきて、オレはそれを叩いて退けた。
「……」
 なにか、縋る言葉でも罵る言葉でもいいかなにか怒鳴りつけてやりたかったのに、言葉はなにも浮かんでこなかった。
 まただ。
 金烏がやっぱりどこにもいかないとか、オレも連れて行ってくれるとか言ったとしてもオレはもう満足出来ない。
 叶わない望みをねだった瞬間から、オレはこうやってまた何かを失ってしまうんだ。わかっていたのに。
 なにもかも、オレがそもそも望んだ事が全て間違いなんだ。
「……いかないでよ」
「ごめん」
 バタンと扉が閉められて、それからポストにカチャンと音がする。この家の鍵が入れられた。
「……ごめんて言うなよ……」
 ドンと壁を叩いて、堪え切れないものが溢れるのを感じた。
 もうこの家に帰らないという金烏の意思表示。なんとなく予想はついていて、オレがごねたから今日まで引き伸ばされただけだった。
 なんで、どうして。
「うううう……」
 その場で地団駄を踏んで、壁を叩いて、それでも気持ちは収まらない。
 なにかに当たりたいのにどうしたらいいかわからない。全部が許せないくらい憎くて、どうしようもなく悲しくなった。
「あああ……ああっ、ああああっ」
 上手に怒りを発散するのも才能だと思う。オレはどうしたらいいかわからず、蹲り床を叩いた。床を叩いて頭を打ち付けてみても、心は晴れないし誰も気にしない。家族は誰も帰ってこない。ひとりで死ぬまで打ち付ければ、少しくらい後悔してくれるの?
 ごんごんと床に額をぶつけてもなにもいいことはなかった。誰かを傷付けたり後悔させたいわけじゃない。ただ、ただ……。途中で飽きて、オレはふらりと立ち上がる。
 気持ち悪い。金烏に会いたい。一緒にいてほしい。抱きしめられて眠りたい。

 金烏の部屋に入って辺りを見渡す。何もない片付いた部屋で、ベッドの脇の机にゴムとローションが置かれていた。
 なんなとなくムカついて、机ごと投げ飛ばす。がしゃんと壁にぶつかって、ただそれだけだった。
「金烏……」
 ベッドに倒れ込み、枕に顔を押し付ける。金烏じゃない人の匂いがして、枕を床に叩きつけた。
「うううっうーうーうーうーっ」
 金烏じゃない。ベッドを殴りつけてもオレの手が跳ね返るだけだ。それでもバンバンと叩いて、虚しくて悲しくなった。
 オレが何をしたって、誰にも何にも影響しない。ただただ苦しい。オレだって少しくらい幸せになりたいだけなのに。

 誰もいない家の、もう帰らない金烏の部屋で寝て起きてを繰り返して過ごした。金烏の服を着てみたり、使った形跡のない教科書を開いたり、どこかに金烏の面影を探した。
 机の引き出しを開けて、中にタブレットが入ってるのを見つける。市販品のタブレットケースに、チュアブル錠が入っていた。表面にはEの文字が書かれていて、薄いピンクがかかっている。
 そういえば、金烏がセックスする前に二人で飲んでいたのをみた気がした。こんなお菓子がどんな役に立つのか。
 でもこれがヤバイ薬だったら?
 ごくりと喉を鳴らして、二、三個飲んだ。一瞬甘い気がしたが、特になにも起きなかった。
 なんだよつまらない。ただのお菓子じゃないか。そう思うとイライラしてきた。ムカつく、なんでこんな気持ちにならなきゃいけないのか。必死で縋ってきたのに、あっさり置いていった。一緒にいるって言ったのに。言ったのに、言ったのに!
 目に付いたものを片っ端から床に落とした。それでも気が済まなくて、扉を蹴破る。ドアノブが壊れて閉まらなくなった。はは、いい気味だ、ここでセックスしたら丸見えになる。今度はオレも仲間に入れてよって言ってみようかな?あー、もう帰ってこないか。帰ってこない。本当に?
「あああっ」
 玄関に行ったのは、でも金烏は帰ってくるかもしれないと一瞬思ったからだ。そんなわけはなく、ポストに入った鍵もそのままだった。腹が立って靴箱の靴を投げた。ああ、金烏の靴がある。はは、くっせ、あ、金烏だ、あ、あ。
 リビングに入って食器をぶちまけた。大きいテレビを床に落として、テーブルも無理やりひっくり返す。椅子がムカつく、気にくわない。だから窓に投げつけた。ガシャンと割れて少し気持ちいい。ポケットに靴が入ってることに気付く。なにこれ馬鹿かよ。それも窓の外に投げつけた。
 金烏どこ行ったの?あいつ?セックスしてたやつのとこ?なんで?ここにいればいいじゃん。オレとセックスしてよ。ここにいてよ。金烏。金烏。金烏。金烏。
 ガチャンと玄関で音がした。金烏?

 目を開けた時から視界は滲んでいた。しとしとと涙が目端から流れ落ちていくのがわかった。
 拭うこともしないで、ただぼんやりと天井を眺める。
 夢というにはただの記憶の追想に過ぎない。ただの事実であり、過去だった。
 それでも夢のように薄らいで、和らいでいく。涙にはストレスの成分が含まれて排出されるというからそれのせいかもしれない。
 人に話せば散々な過去だと言われるだろう。親が死んだあたりはおあつらえむきの悲劇だし、新しい家庭すら壊れたのだから不幸の種はオレ自身なのかもしれない。
 あなたの人生って可哀想ねと、ピロートークで披露した時にそう言われて以来人には話さなくなった。
 事実だけど過去だし、悲劇だったとしてもオレが笑って過ごす権利はある。
 笑い話にならないなら話す価値はない。嗚呼、価値のない人生、なんて嘆く必要もない。強がりでもないし、自暴自棄でもない。
 およそ一般的な幸せとは程遠くても、オレはそこそこ楽しく生きてきた。それを可哀想と非難するのは自由だが、水を差す真似はされたくなかった。
 こんな事を考えてる時点で、本当は自分自身思っているのかもしれない。「嗚呼、なんて可哀想な人生」と。

 一人で死ぬのは嫌だったが、一人で生きるのも嫌だった。
 これからどうしたらいいんだよ、と、今しばらく涙が止まりそうにもない。
 一人が嫌なら誰かに愛されなくちゃ。愛されたいなら愛さなくちゃ。
 わかっているけれど、誰のことも愛せる気がしなかった。それはオレの人生のせいなのか。
 親がいて幸せな家庭で育ち、輝かしい青春を送れば、こんな事思わないで済んだのか?
 それともどんな人生を過ごしたって、オレは孤独を抱えたかもしれない。そういう運命の魂なのかもしれない。そんな可能性を誰にも否定できない。

 クスリとセックスさえあれば楽しく生きてこられたのに。それが代替品だったと気付いたら、急に虚しくなった。
 でもこの虚しさを埋めるには、やっぱりクスリとセックスしかないように思える。そうやって、本当に欲しいものを一生手に入れられないまま、虚しさを埋めるだけに生きていく。
 世界にそんな人間がどれだけいるのか。きっと星の数より多い。オレもその数多の一つに過ぎない。
 それがまた、悲しい。
 無い物ねだりなをしているくせに、自分が本当に欲しいものがなんなのか、本当は分からなかった。
 オレは金烏が欲しいのか?
 だとしたら最初から、手に入りそうもないものを欲しがって、またしてもオレは最初から間違えていたことになる。
 どうせ虚しいだけなら、何も欲しがりたくない。なにもいらない。
 でも金烏が欲しい。
 頭の中がぐちゃぐちゃになる。
 愛露と二人で落ちながら、オレは必死に生きようともがいていた。植木に落ちた時、あいつを下敷きにして、だから大した怪我もなくこうして生きている。
 死にたくなかった。脳裏をよぎったのは金烏の事で、だからオレは、金烏が欲しかったんだ。多分、そうだといい。
 視界はまた歪んで、どうしようもない眠気に襲われる。多分腕に刺された点滴がそういう作用をもたらすのだろう。
 重たい瞼が下りていく。出来ればどんな夢だって、もう見たくない。