「ああああやだあやだちんぽ死ぬちんぽ、ちんぽがああああああ」
ビイイイイイン。金属とプラスチックが擦れて音がする。黄野はベッドの上にM字開脚で座り、喉を晒して仰け反り悲鳴のような嬌声を上げた。
「あーーーーっくううああああ」
尿道を深々と犯すブジー、その先端に振動するローターを押し付けられ、黄野は激しい痛みと快感に喘ぐ。首が真っ赤になるほど身体に力を入れて、目からは次から次へと涙が落ちていた。
逃げたいのに逃れられないのは、腕を背中で拘束されているからだけではない。
「尿道処女のくせにこんなんなっても萎えないんだな。気持ちいいんだろ? 言えよ、黄野、気持ち良いって」
「あぎいいっあああきもちいっきもちいいっっ」
黄野の後ろに膝立ちで陣取る緑島は、ローターを押し付けるのとは反対の手で黄野の性器を握った。他人の物を壊すのに、なんの躊躇いもない男だった。
黄野は緑島に逆らえない。
「そうか、じゃあもっと良くしてやるよ」
「ああーーっひいっひい、痛い痛いああああああ、あ、んあああ」
緑島はブジーにローターを押し付けながら、ブジーを半分引き抜き、また奥まで差し込む。黄野は尿道責めが初めてで、あまりの酷い仕打ちに涙は量を増した。
ブジーを挿し込まれるのは小さな穴が引き裂かれるように痛んだ。けれども、引き抜かれる瞬間はどうしようもない甘美な快感があった。天国と地獄を繰り返され、気持ち良いのか痛いのか、理解できなくなっていく。
「あああっ……あー……」
「尿道拡がってきたんじゃねえ? ほら、黄野、ケツの穴も拡げてやるから」
ブジーはそのままに、ローターは横に放られた。黄野はそこでようやく呼吸を思い出したかのように息をつく。
「ううっ」
ずるりと身体の位置をずらされ、赤ちゃんのオムツを換えるような格好になる。下の穴も性器の裏側も晒し出していて、ベッドから少し先にに設置されたカメラに見せつけるようだった。
「あれ? ケツも処女だっけ」
「んん……」
ぶちゅり、穴の上にローションを垂らすと、体温より低いローションの冷たさに黄野は身震いした。緑島の声は聞いてないのか、うんともいいえとも答えない。
「あんな回りくどいことしないで、最初からこうしとけば良かったんだよな」
「んっあ」
穴の淵を数回なぞり、中指が一気に奥まで突き立てられる。気持ち良くも悪くもないが、尿道ブジーを入れられた時よりは数倍受け入れ易かった。
あんな回りくどいこと、というのは、先日電車内で灯を痴漢させた時の事だった。
その一部始終を動画に撮らせ、AVコンテンツとしてネットで有料配信しようと目論んだ。しかし所詮は素人仕事で、動画はとても観れたものではなかった。
黄野は緑島に数十万の借金がある。その返済を待つ代わりに動画を撮らせたが使い物にならないから責任を取れと迫り、この顛末だった。
けれど、最初からそのつもりだったのではないかと、黄野も薄々感じていた。
今は、灯にもよく使う薬で頭は上手く働かない。
「あああ、ん、あーっ、あー」
指はローションと共に増やされ、三本目が今若干無理矢理に押し込まれた。穴はぐぽぐぽと音を立てて、ローションが泡立っている。
「もういいか。黄野、ちんぽ入れるぞ」
「ンアっ」
ずぶっ、指がいっぺんに引き抜かれ、黄野が声を上げた。それから身体を起こされ、膝立ちになる。
「ほら、支えてやるから。自分で咥えろ」
尻を後ろに突き出すよう腰を掴まれ、言われるがまま腰を落とした。思い出すのは灯の事だ。気持ち良さそうだと
頭の隅で思っていた。
「うっ、ん、んんっ」
緑島の性器の先端が穴にねじ込まれる。息を吐きながら一気に腰を下ろし、奥まで犯される。
「はっ、はあっ、あっ」
内臓を押し上げるような圧迫感に息が上がる。呼吸をして意識をするだけで、胎内の熱を締め付けてしまう。犯されてる、その事が頭の中を埋め尽くす。
「上手に呑み込んだな。薬で穴が少し馬鹿になってんのかな」
緑島は言いながらローターを握った。それを視界の端で捉えて、期待で緑島を締め付けた。
「それじゃあ俺も味わわせてもらおうか」
カチンとスイッチが入るのがわかる。尿道に刺さりっ放しのブジーに、容赦なくあてがわれた。
「ひっぐっうああああ」
忘れかけていた痛みと快感の地獄が再び襲った。
なんて罠だ。最初からこうするつもりだったに違いない。こんな男に金を借りた俺が悪い。
けれど、後悔とは程遠い感情だった。
灯の事を思い出す。電車の中で絶頂を繰り返す彼を見て、そんなに気持ち良いのかと思った。
本当、壊れそうなほどきもちいい。