ハート

「あーっあーっあーーあーー」
 内臓が口から飛び出そうだった。ケツを性器でデタラメに犯される。腹に乗り、俺の首を締めるバカはとんだサイコパス。顔に性器を擦りつけて楽しむど変態野郎。三人のクソ共に、強姦されていた。
「くすりくすり」
「鼻からな」
 カシュッ。
「うっげほっえっう、うっう、っっあ、あっあっ」
 噴霧器を鼻に差し込まれ、なにかを吸わされる。むせたのも一瞬だった。頭からつま先まで、血液に冷水を注がれたように冷えて、それから身体がビリビリと痺れて、熱が迸る。
「声やばいエロい」
「んんっふっんんんっ」
「殺すなよ」
「やばいかも」
 どれが誰の声かもわからない。もうすぐ俺は殺されるかもしれない。
 そんな恐怖よりも快感が勝った。苦しいのも痛いのも、脳は気持ちいい事と勘違いした。
「ああ、やばい、やばい」
 サイコパスが俺の首を締めながらやばいやばいと喚く。俺は酸素が足りなくて喘いだ。その口も塞がれる。サイコパスの手が首を締めたり、緩めたりした。
 首を締められると苦しくて身体に力が入った。肛門も然るに。そこを無理やりに犯されると、熱くて壊されるのがサイコーにイイ。
 数秒で首締めから解放される。身体から力が抜けた。弛緩した穴を奥まで貫かれる。内臓まで揺れて、脳が溶け出そう。
「二人で舐めて」
「趣味じゃないです」
 顔に性器を擦りつけてきていた変態が、俺の口に性器を押し付ける。サイコパスの頭を抑えて、二人で奉仕しろと言った。
「噛みちぎるぞ」
「それもいいかも」
 俺の口とサイコパスの口が性器をサンドする。舌出せよ、と顎を無理やり動かされ、開いた口に先端をねじ込まれた。
 サイコパスは歯を立てながらしゃぶりつく。それがいいと変態野郎は喜ぶ。ケツを犯すやつはなにも言わず中で勝手に果てて、また大きくして再び動き出す。
 犯されている。


 図書館からの帰り、バスの窓に雨がパツパツと当たる音が心地良い。
 借りたばかりの本はカバンの中にしまったままだった。バスの乗客は俺しかいない。降りるバス停はあと5つ先。
 ちょうどいい空調と揺れに、少し眠くなっていた。家に着いたら一眠りして、それから本を読もう。夏休みの宿題は読書感想文で最後だった。
「でさー」
「ありえなくね」
「いいから早く乗れよ」
 騒がしい三人が乗り込む。雨に降られて、三人とも濡れているようだった。
「あれあれあれ〜?」
 三人のうちの一人がこちらを見た。にやにやした顔で、こちらに歩いてくる。いやな気分だった。
「あれ、三鳥(ミトリ)じゃん」
「ほんとだ。なに、どっか出かけてたの」
「っ……」
 三人のうちの一人が俺の頭に手を置き、引っ張るようにして顔を上げさせられる。
 三人はクラスメイトで、いじめっ子だった。夏休み直前からちょっかいをかけられていて、夏休みになったから会わないですんでいたのに。こんなところで会ってしまうなんて。
「なあ、暇だろ?これからうち来いよ」
「……暇じゃ、な……」
「お前の話はさあ、聞いてないんだ」
 理不尽な仕打ちに、俺はただ押し黙って、耐えるしかなかった。
 自分の弱さを悔いても、相手の傲慢さを軽蔑しても、世界は少しも変わりはしなかった。


「あぐっうっごっ、お、お、」
 喉を突くように、口に入れられた性器が激しく抜き差しされた。首筋に噛みつかれ、口内の性器に歯を立てると、性器は硬く大きくなった。ど変態野郎はどM野郎でもあった。
 噛まれたところを舐められて、傷口がヒリヒリ痛む。その痛みに刺激され、身体はますます喜んだ。
 もう、おかしい。ずっとおかしい。
「んっんおっお、うっううっ……」
 下では内臓を掻き回されるみたいに肛門から中を穿たれる。腰が掴まれ、壊れそうなくらい激しく揺さぶられた。頭がおかしくなりそうだった。身体が壊れていくのが気持ちよかった。
 俺は散々喘いでから果てる。その締め付けに、犯しているそいつが中で果てた。
「ん、おれも」
「んっぐふっぐっ」
 喉に直接精液が注がれてむせる。最後まで吸い出せ飲み込めと、頭を押さえつけられるから、俺は生理的な涙を零しながら従う。
 サイコパスが、脇腹を静かに舐めているのが、薄気味悪い。

 ここはサイコパス野郎の家だから、他の二人が帰ると俺とあいつの二人きりになる。薬とセックスで激しく使い果たした身体は動かない。
 あいつは俺の上に乗り、ゆっくり首を絞めてくる。
「なあ、お前の苦しい顔いつ見ても超好き♡試しに一回死んでみない?その顔だけで、一生オナニーできると思う♡」
 俺の答えなんて求めていない。酸素と、この世界と、しばらくお別れのよう。

 最後にハート付けりゃ、なんでも許されるなんておもうなよ。


♡終♡