「あっ、あっ、あっ、」
鬼塚(オニツカ)くんは保健室のベッドの上で、枕に後頭部を押し付け喘いだ。頭の横で万歳の形に押さえられた腕は、もう無理に振りほどこうとはしていない。
鬼塚くんは不良のなりそこないのようなものだった。髪を染めてピアスを開けてみたけれど、授業をサボると罪悪感があったしタバコを吸うのは嫌だった。他の不良たちとも、クラスメイトとも馴染めないからクラスではいつも一人ぼっちだった。そんな自分を「いいよ俺は一匹オオカミだから」と慰めるのが常だった。
「はあ、メガネずれた。メガネ邪魔だなあ、でも外しちゃうと鬼塚くんの顔見れないし」
福留(フクトメ)さんは、鬼塚くんを押さえつけていた左手を離してメガネを直す。激しい運動による汗と動きでメガネがズレてしまったのだ。メガネを直すと、逃げ出す気配もない鬼塚くんの腕を再び押さえる。これはもはや拘束という意味を成していなかったが、そうするのが落ち着いた。
福留さんは絵に描いたような優等生だった。勉強は出来たし教師やクラスメイトからの信頼も厚く、不良からは一目置かれていた。荷物にはいつも文字の羅列された文庫本があり、図書室の窓際で本を読むのが似合いそう、そんな印象だった。
「コンタクトにしようかな。ねえ、鬼塚くん、どう思う?」
「あっあっあっあっ」
細かい揺さぶりに鬼塚くんは声が上擦っていった。身体を仰け反らせ、大きく開いた股の間では鬼塚くんの自身が淫らに濡れて主張していた。
「もうイきそう?鬼塚くん。初めてアナル掘られたのに、お尻だけでイけちゃうの?」
「はあっはっあ、っあっあっ」
鬼塚くんは顔を横に逸らして目を伏せたが、福留さんにイイところを抉られて、ヨダレをこぼして声を上げた。
「いいよ、鬼塚くん。お尻気持ちいいんでしょ?お尻の穴ずぽずぽされてちんちんからミルク出しちゃいたいんでしょう?」
「ああっんあっああっああっ」
福留さんの言葉責めに、鬼塚くんはお尻の穴をキュンと締め付けながら泣きそうな顔で喘いだ。もうイきたいのに中々射精出来ないで、快感だけが身を焦がしていく。
「アアッんっ、あっあーっあ、もっああっやだ、そこっああっ」
「くっ……う……」
鬼塚くんは喉を晒して仰け反りながら、ビクビクと痙攣する。射精しないでイったのだ、熱い中がうねり、福留さんを締め付ける。あまりに強く締め付けたから、福留さんは低く呻いた。その色香の漂う呻きに鬼塚くんは耳を犯されたようだった。
「ひあっ……っあ……」
イって、鬼塚くんは身体がビリビリと痺れるようだった。触れられるところに強い電撃が走るようで、カウパーと精液の混じったものを鬼塚くんは溢れさせた。
「はあ、鬼塚くん、すごい気持ちいい。イっちゃいそうだよ」
「や、めろ……も、もうっああ……っあ……」
福留さんはまた緩やかに腰を振りだす。鬼塚くんの萎えそうなそれを、優しく握って扱きながら。
鬼塚くんは泣きながら喘いだ。気持ち良すぎると泣いてしまうんだね、福留さんはひとつ賢くなった。
終わり