『お前ってなに考えてるかわかんなくてこえーよ』
と仲間内で言われたかわいそうな一進(イッシン)くんは今、俺のベッドの上で涙を流している。
「俺にはわかるよ、一進くんの気持ち」
茶色に染められた、少し傷んだ髪を撫でる。左耳のピアスがカチャリと揺れて鳴った。
「ちんこの穴、気持ちいいんだよな、一進くん」
一進くんは俺のベッドの上で涙を流している。腕は後ろ手に縛り、足はそれぞれ膝で曲げた状態にして縛ってあり、はだけさせたワイシャツから覗く胸は呼吸で大きく上下している。
前を寛げたズボン、その下のパンツ穴から露出させた性器の小さな穴には、禍々しいステンレス製の棒が突き刺さっていた。その直径は20mmにまで及び、散々時間をかけて慣らしたお陰で痛みよりも快楽が勝っているようだ。
「ああああっあっんあっ」
ズルリと引き抜くと、一進くんは目を細めて声を上げた。上擦って掠れた、甘く切ない声に俺の下半身もズクンと疼く。
「前立腺グリグリしような」
「うっんっんああああっ」
棒をまた奥まで突き立ててあげれば、一進くんは仰け反り喘いだ。
「ひいっい、あーーっ、あーーーっっ」
腰を浮かして強烈な快感に咽び泣いている。突き出した胸の飾りがいやらしく主張するから、俺はぺろりと舐め上げた。
「ひいいっあっあっあっあ」
胸の刺激にビクンと身体を跳ねさせると、腰を振って痙攣した。どうやら出さないでイったらしく、よだれと涙で濡れた一進くんは身体を弛緩させた。
「気持ち良かった? 一進くん。俺がもっと気持ち良くしてあげる」
少し縮こまってしまった一進くんの性器を撫でながら、俺はベッド横の引き出しに入れていた器具を取り出した。コンセントに電源を刺す時に目に入ったのだろう。一進くんは目を見開いて、口をパクパクとさせる。
「何度イってもいいからね」
「や……まっ、て……」
カチン、ビイイイイイン。
「ああっおあああああっあひいいっひいいっ」
電気マッサージ器のスイッチを入れて、一進くんの性器からはみ出した棒に横から押し当てる。手では決して作れない高速振動が、一進くんの中を責め立てる。
「ああああっああああっ」
腰を突き上げて仰け反り、弛緩して、また喘ぐ。時折性器や陰嚢をマッサージ器で撫でてやると、それも気持ちよさそうに喘いだ。
けれど、一番好きなのはやはり尿道を責められる事らしい。棒にマッサージ器を押し当てながら、性器をぎゅっと握ってあげた。より強く尿道内を振動が襲う。
「ああああ……ああ……」
視線が俺に飛んでくる。子供みたいに泣きじゃくって、一進くんが俺を求めていた。
「可愛いよ、一進くん」
キスすると、ちょっとだけ安心した顔で意識を飛ばした。
「おしっこしていいよ」
「あ、ん、ん、」
ずるり、と棒を引き抜くと、じょろじょろと音を立てて便器におしっこが打ち付けられた。便器の前に立つ一進くんの、後ろに俺が立った。一進くんの性器を握る手を強めると、一進くんは、くう、と小さく呻く。狭まった尿道から必死におしっこを出そうといきんでいる一進くんは、気持ちよさそうな吐息を零した。
「穴、広がったな」
「んあ……」
おしっこが終わったばかりの先端を指の腹で撫でると、一進くんの腰が震える。おしっこ穴、本当に大好きなんだろうな。
「舐めて、一進くん」
「んう……」
指先におしっこが着いて、それを一進くんの口元に持っていくと舐めてくれる。舌が丁寧に指を這っていくのは、いやらしくて可愛らしく思えた。
「な、あ……」
「うん?」
一進くんから声を掛けてくるのは珍しい。俺が耳を済ますと、一進くんは深呼吸してからまた声を出す。
「ケツ……ケツから、前立腺、押して、ちんこ、の、前立腺グリグリ、すると……気持ちんだ、って」
言い切った後、真っ赤になる一進くんの耳が見えた。
「へえ、じゃあ今度アナル用のディルドとかバイブ買っとく」
一進くんの後ろには今まで手を出してこなかったから、アナル用のおもちゃもないし。でも、一進くんからおねだりだなんて可愛いらしい。
「オレは、これでも、いいけど……」
「んっ」
一進くんが後ろ手に俺の股間を掴んだ。親指が下からラインを舐めるようになぞる。
どこでそんないやらしい誘い方覚えたんだか。
「一進くんがそう言うなら」
震える手とか、首まで赤くなってる一進くんの気持ち、俺にはわかるよ。
一進くんも俺のこと、大好きなんでしょう。
終わり