おとしだま

「ほら、先生頑張って」
「んんっ……んうっ……んんんっ」
 新進気鋭の漫画家、保良(ホラ)先生は、生意気で、横柄で、人のことをすごくこき使ってくる。
 だけど担当編集している俺より年上だし、俺より万倍稼いでるんだから、お年玉でも貰おうかと、そういうわけで。
「はは、先生のちっちゃい穴が広がって、『お年玉』が顔出してきましたよ。可愛い」
「んんんっ」
 お年玉が貰えるなんてもちろん期待してなんかいない。でもせっかくだから、楽しませて貰いたい。
 先生がいつも原稿を捻り出す椅子に大股開きで括り付けて、未使用完品のケツの穴にローション濡れの三個のピンポン球を突っ込んだ。痛がる声なんか、猿轡をしたから聞こえません。
 頑張って息む姿が、いつも偉そうにしている時とのギャップで腹を抱えて笑うほど滑稽だった。先っちょが出てきたピンポン球を中に押しもどすと、先生は甲高い声を上げる。
「あれえ、先生」
 にやにやが止まらない。だって先生のそれが、起立して汁まで零しているのだから。
「お年玉出すの、そんなに気持ちいいんですか?」
「んんんっんふうっ」
 陰嚢にまで滴る汁を指に絡めて裏筋をなぞると、先生は目を細めて良さそうに声を上げる。
「いやらしいなあ、先生」
「んあああっんっあああ」
 それを握ってキツめに擦り上げると、盛りの猫のような声を上げる。頭は仰け反り喉仏を晒して、快感に喘ぐ。
「でも流石にはしたないと思いますよ、先生。お年玉ちゃんと出せるまで、蓋をしておきましょうか」
「んんっぐうっ?!んんっうっうう」
 いやらしい汁をこぼす小さな穴に、親指の腹を押し付ける。そのまま小さく振動させると、殆どイってる顔で声をあげた。
「先生、お年玉息んで。じゃないといつまで経っても正月が終わらないじゃないですか」
「ひっっんっ……!!」
 気持ちよくて馬鹿になっているみたいだから、閉じきれない穴に指を這わせてピンポン球を押し上げる。イイところに当たったようで、先生の身体が大きく跳ねた。
「先生?俺が手ぇ突っ込んで『お年玉』取らなきゃダメですかね?早くしないとお尻がガバガバになっちゃうよ」
「ほぐっう……んんっんんっ」
 手のひらを穴に押し当てて、マッサージするみたいに圧迫する。穴全体を揺すられるのが気持ちいいようで、切ない声で鳴くのが止まらない。
「先生?俺に『お年玉』くれる気ないでしょ。先生意地悪だし、いっつも俺のこと虐めてきますもんね。酷いなあ、いつもあんなに尽くしてるのに」
 ご用命とあらば、夜だろうと早朝だろうと先生の元へ馳せ参じ、資料集めに西へ東へ、お土産には必ずプリンを献上、凝り固まった肩をほぐす技術は日に日に向上している。
 嗚呼、思い出したら、先生にはもっと楽しませてもらわないとなあ。
「先生、頑張って息んでください。もうこれ以上苦しいのは嫌でしょう?はい、さん、に、いち」
「ふうっんっひぐあああっ……」
「は、すっげ」
 俺が急かすと先生は思いっきり息んだ。その瞬間を狙いすまして、お年玉、もといピンポン球を中から前立腺にゴリゴリ押し当てた。
 と、同時に指の腹で塞いでいた小さな穴もぐりぐりと刺激してやる。
 ビクンビクンと跳ねて咆哮する先生の様子は圧巻で、感嘆の息が漏れる。足の指をギュッと握り、椅子に身体を押し付けて、先生はいかれてしまった。否、イってしまわれた。
「ああっ……ああ……」
 余韻を残しながらだらんと脱力する先生。精液を出せずに果てた性器もだらりと萎えている。けれど、初めてのドライによる快感は強く、目が爛々として、眩しそうに瞬いている。
「そんなに気持ちよかったの?先生」
「んんっああ……」
 無防備に晒された横っ腹を撫でると、そこさえ性感帯になったようで、恍惚の笑みを浮かべている。
「いやらしい。先生?俺、まだ『お年玉』貰ってませんよ」
「んふっは……」
 爪でコツコツとピンポン球を叩くと、目を細めて喘いだ。
「いい顔しちゃって」
「ん、ん、んふ……」
 蕩けた顔で、小さく喘ぐとお年玉がコロンと落ちる。穴がヒクヒクとして快感を示していた。
 穴を撫でると眉を顰める。だけど、どこか嬉しそうにしているから後ろでイくのが病みつきになったのかもしれない。
「ほら、先生あと二個」
 俺が促すと、先生は目を瞑り、二個目のお年玉に備えた。

終わり