1時間目だけテストを受けて、後は保健室で寝る事にした。結局熱は引かず、上昇気流に乗って上がる一方だ。
3月が終わる前に死ねるかもしれない。熱に溶けだした脳みそが、そんなことを考え始める。
昨日のアレで、先生は話しかけて来なくなった。
ふと、俺はここにいる理由があるのか、と思う。
放課後、先生がなにも言わないのをいいことに俺が保健室でだらだらしていると、3人のクラスメイトが来た。明らかに見舞いで来たわけじゃなさそうだ。
そもそも、俺にそんなのはいない。
熱で赤らんで、目の潤んだ俺はそそるらしい。先生のいない間を狙って来た理由がわかった。
空っぽだった胃に突然精子を入れられ、吐き気が増す。
「溜ってたんだよね」
そう言う3人の精子は量も濃さもなにもかも最悪だった。吐いたところできっとそれを舐めさせられるんだろうから、俺は吐きそうなのを何度も飲み込む。そのたび吐き気が増して悪循環だ。
あー、また熱が上がったかもな。
それから、後始末も出来なかった俺は先生に抱かれ、体を拭かれ、夕方に帰宅。
「誰にも言わないでね」
誰に?
先生の無意味な口止めに俺は鼻で笑ってやる。
誰に言えばいい?
熱は下がる事を知らず、それは俺の病気の初期症状なんじゃないかと思ったら、少し笑えた。
誰も知らない。
病気は俺を、確実に死に向かわせる。