3/8 木曜日 雨

 誰かの歌で歌われていたのは、今日の事だったか。ぼんやり思う俺の頭は、実際機能していない。
 今日は朝から雨が降っていて、しとしとと言う雨の音が心地よかった。
 雨は好きだ。俺の命日には雨が降るといい。冷たく凍るまで。

 携帯の、最初から設定された内蔵のメール着信音が静かな部屋に鳴り響く。2年生からで、明日も逃げたらバラすと書いてあった。
 逃げてないし、お前らが来ればいいじゃないか、返信せずに携帯を閉じる。
 後はもう鳴らない。

 小学生の時、友達はいた。中学もその持ち上がりでつるんでいたし、部活をしていたからその仲間もいた。
 今はもう、友達なんて呼べる物を持っていない。いるのは俺を性処理の道具に使う奴らだけ。
 勝手に携帯に登録されていて、消す気も起きずにそのまま放置している。メモリを消したところで、何か変わるとも思わない。
 今の俺に友達は出来ない。
 夏休み前、人見知りがちな俺がようやく作った交友関係は、もう卒業した3年生によって壊された。
 ただ、普通に遊んでいたところに現れ、捕まった。泣きながら、無理矢理しゃぶらされて、吐き出されたものを飲まされる。
 かつて友達だった奴らは、いなくなるか、俺を使うかだけだった。

 残ったのは狂気だけ。