2015/5/6

「い、いやだ……」
 夜になりひと気の少ない道。電柱の横に立つ曽達と巣是の姿だけが街灯に照らされている。
「しろよ、犬みたいに」
 後ろに立った巣是が、曽達の右足を抱えてあげさせる。巣是の言うように、片足を上げて用を足す犬のような格好だった。
 ジーパンのチャックは降ろされ、性器がぽろんと出ている。
「人が来るぞ?」
 脅しに下腹部がきゅんとなった。
 しょろ、しょろじょろじょろ…。電柱の高い位置に当たり、地面までの長い線が出来上がる。溜め込んだ尿の水溜りに、靴が濡れた。

終わり