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 クローゼットから彼を抱き上げて、ソファに座り、膝の上に乗せる。その間も目覚めない、入くんは眉間にしわを寄せるばかりだ。
 腕は背中でまとめて、足は膝で曲げたまま拘束しているから、何時までもこのままにしておいたら血の巡りが悪く、最悪手足に麻痺が出たりするかもしれない。
 入くんの腕を撫でると体温は低く、折れた指先は酷い色で腫れ上がっていた。
「う……うう……」
 痛みに意識が覚醒したらしい。入くんは呻きながら瞼をパチパチさせる。
「おはよう、入くん」
「うっうううう」
 僕が声をかけると、入くんは身体を仰け反らせて後ろに倒れそうになった。危ないからと抱きしめると、僕の腕の中で暴れた。
「喉渇いてるでしょう?」
「んっく、痛え、離せ、帰る、帰る!!帰らせろ!帰る!」
 入くんの口に貼っていたガムテープを外すと入くんは頭を振りながら声を上げた。
「これ、全部飲んでね」
「な、んっんんぐ、んふっ、げふっ、けふ」
 そんな入くんの口に、ペットボトルの口を押し付ける。顎を掴んで無理やりに開かせ、ペットボトルの中身を注いであげると盛大に噎せている。
「平気?」
「んっく、やめろっ気持ち悪いんだよこの変態!!」
 鼻から口からこぼれている液体を舐めとると、噛み付くように言ってくる。手負いの獣とはまさにこの事だ。
「うっう、やめっっ」
 顎を掴んで再び口を開かせ、こぼした分も舌に絡めて飲ませる。ここまでくると、最早僕の趣味でしかない。
「ウォエッ!!くそが!外せよ!」
 唾を吐いて怒鳴り散らす。舌を噛まれると思ったけど、そんな事はなかった。
 僕は入くんの首筋に顔を寄せた。ここに連れてきた時のまま、汗をかいたワイシャツは少し汗臭い。
「入くん、気持ち悪くない?」
「は?きめーよお前が」
 細くて成長しきっていない入くんの身体を手のひらで撫でる。ああ、早く素肌に触れたい。そんな思いを堪えながら、股間にズボン越しで触れると入くんの身体がビクッと震えた。
「昨日漏らしたままで、気持ち悪くない?」
 もう乾いているようだけれど、身体はべたべたして気持ち悪いんじゃないかな。そう思って聞くと、入くんは耳まで真っ赤にした。
「っっそれは、お前が、っさ、わんなぁっ」
 親指で入くんのペニスを布の上からなぞると、少し上ずった声で言う。若いから、数回撫でただけですぐ硬くなった。
「さっき飲ませた水、利尿剤が入ってるんだ」
「え……」
「僕、おしっこしたくなっちゃったかな」
「なに、わけわかんねえ、から、」
 一口舐めた程度ですぐ尿意が高まる事もないと思うけれど、まあ、プラセボ効果だ。
 僕は入くんの襟首を掴んで、僕の股間に顔を埋めさせる。足を回して首を動かせないよう抑えつけた。
「僕がおしっこするのと、入くんがまたお漏らしするのと、どっちが早いかな?」
 また、と言う言葉に入くんはお漏らしを思い出して顔を赤くした。
 ジジジジジ、チャックを下ろして自分のペニスを取り出す。入くんは嫌そうに顔を背けた。
「ねえ、入くん、喉渇かない?」
「乾かねえよ!汚いもん見せんな!!!」
 ぎゅっと目を瞑り、顔を背ける。その唇に亀頭を擦り付けると、僕はゾクゾクとした気持ちよさにペニスを硬くした。
「入くん、僕のペニス舐めて」
「誰がっ」
 入くんの頬にペニスを擦りつけた。目に、鼻に、耳に、精子をかけてどろどろに汚してあげたい。汚して、それを舐めて綺麗にしてあげたいと思う、僕の性癖は歪んでいる。
「僕の事イかせられた、トイレに行かせてあげるし、なんならその拘束も外してあげる。イかせられなくても罰ゲームとかはないし」
 拘束は外してあげないけどね。
「家に帰るチャンスだよ?舐めてよ」
 迷っている入くんの耳もとに囁く。
「ちょっと我慢すればいいんだよ?それにおしっこ、もう漏らしたくないでしょう」
 入くんの瞳が大きくと揺れて、口をはくはくと開けたり閉じたりする。迷っているその口にペニスを押し付けると、舌先がちろりと舐めた。
「ん……」
 ちょっと舐めるだけなんて仕草が可愛らしい。僕はますます興奮した。
 そんな僕を見て、簡単にイきそうだと思ったらしい。入くんは僕のペニスを浅く、嗚咽を漏らしながら咥える。
 唇で扱いたらいいのに、抵抗があるのか、舌を使うのが精一杯らしい。
「はあ、気持ちいいよ、入くん」
 でもこんなんじゃ、一生イけないね。
 僕がほくそ笑むのも気付かない入くんは、少しいい気になって竿まで舐めてくれる。
 いいよ、いいよとAVみたいな喘ぎを零しながら入くんの頭を撫でた。


 5分、10分したって僕をイかせられない入くんは顎が疲れたようだ。健気に舐めてみても吸ってみても、それでは僕はイけない。
 そのうちに入くんの顔色が悪くなってくる。ようやく利尿剤が効いてきたようだ。
「入くん、もっと深く咥えて」
「んっんごっ」
 僕は入くんの後頭部を手で押さえ、ペニスを押し込む。苦しさで歯を立てられないか少し怖かったけれど、なんとか堪えてくれているらしい。入くんの上あごにペニスを擦り付けながら、僕は片方の足を下ろした。
 それから、足の裏で入くんのぽこんと膨れた下腹を軽く押す。
「ひっひうっ」
「入くん、おしっこ限界でしょう」
「おっぐお、お、」
 されるがままの入くんは、目を見開き縋るように僕を見た。
「我慢しなくていいんだよ」
「おっ、おっ、おおあああっっっ」
 ゆっくり押し込んでいくと、頑張って堪える。それも長くは持たないで、ぶしぁーっと勢いよく漏らした。我慢したから余計なんだろう。
「は、っん、」
 瞳が潤んでぼたぼた涙を落とすから、僕はその顔に興奮してイった。
「はあ、イっちゃった。けど、もうトイレ行かなくていいよね?」
 聞いたところで、入くんは止まらないおしっこに呆然とするばかりだ。