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「入くん、コーンスープ飲める?」
「プッ」
 再びベッドの上、腕を背中側で、足は膝で曲げて拘束した。スプーンでコーンスープを飲ませてあげると入くんはそれを吐き捨てる。
「今日は学校だから、一人で留守番してもらうよ」
 スプーンじゃ埒があかないから、もう、無理やりにでも飲ませてしまおうか。僕は入くんの顎を掴んで上を向かせる。見開いて怯えた目が僕を見た。
「ま、待って、待って、せんせ、あ、ああ、」
「熱いから気をつけて飲んでね」
 まあ、気をつけようなんてないか。
「あっあひゅっあうっあああっ」
 まだ湯気の立つそれを入くんの口に注ぎ入れると、殆どは吐き出して零してしまった。首筋から垂れ落ちバスローブを汚してしまっている。
「せっかくお風呂入ったのにまた汚しちゃって……時間ないから、今日は裸のままでいて」
 口の中を火傷したのか、入くんはグッと唇を噛んで目を潤ませていた。まるで僕を誘っているみたい。唇を指でなぞると顔を背ける。そうして僕を焦らしているの?
 僕は入くんのバスローブを脱がせ、溢れたコーンスープを拭ってあげた。
「そうだ、入くんおしっこはずっと漏らしてたけど、うんちは出来てなかったよね」
「は……?」
 入くんの顔がパッと赤くなる。やっぱり下の話は恥ずかしいらしい。
「溜め込むのは身体に悪いから、今日は無理にでも出しておこうね」
「な、なにすんだよ……」
 怯えてる入くんは可愛い。
 環境の変化で便秘になったり、逆に下痢になってしまう子は少なくない。入くんはどうやら便秘になってしまうタチのようだ。
 入くんの身体を抱き寄せ、お尻を上げさせる。きっと排泄以外には使われた事のない後ろの穴を指で撫でると、入くんはビクンと震えた。
「やめろ、やめろ変態!そんなとこ、触んな……」
「大丈夫、怖いことないから」
「なに言ってんだよ、やめろよ、」
 殆ど泣きそうになってる入くんの頬にキスをする。
 右手に持ったイチジク浣腸の先端を穴にあてがう。ツプンと入れると、ヒッと小さな声が上がった。
「すぐ効き目が出るけど、5分ぐらいは我慢してね」
 初めてみたいだし一個で十分だろう。もし帰った後や明日も便秘が続くようなら、数を増やしてみるのもいい。
 浣腸液を注入すると入くんがぶるっと震える。敏感な身体をしているようだ。ちょっといたずら心が芽生えた。

「じゃあ、僕は学校行くから。さすがに見られながらするのは恥ずかしいでしょう?シート敷いたからベッドでそのまま漏らしても気にしないでね」
「ま、待ってよ、行くのかよ、おい、置いてくのかよ……」
「目隠ししとこうか。漏らした後は臭いとか不便だろうけど、なるべく早く帰るようにするから」
 入くんに目隠しをして、腕が痛くないよう枕を整え凭れさせる。足はM字開脚のように開き、この体勢ならいきみ難いが、出したものは身体に付かないだろう。
「ちが、そうじゃ……ま、せんせ、先生」
 パタン。扉を閉めると入くんの悲痛な叫びが遮られた。入くんとずっと一緒にいたいけど、急に休むのも無理だ。
 初めての浣腸、最後まで付き合ってあげたかったけれど仕方ない。カメラは3台で撮影したから、帰ってからが楽しみだ。僕は浮き足立って学校に向かった。


「尸(カバネ)先生」
 学校に着くと、入くんの担任の先生が僕を呼んだ。
「おはようございます。入くんのこと、なにかわかりましたか」
「いえ……ご両親は警察に捜索願を出したそうですが、まだなにも見つからないと」
「そうですか……足取りだけでもわかるといいんですけど。なにかありましたら、僕も力になりますので」
「ええ、すみません。よろしくお願いします」
 学内は、入くんの失踪がにわかに噂になっていた。入くんは喧嘩で騒ぎになることも多く、不良として知られていたから有る事無い事を囁かれていた。
 僕はそれを聞きながら、頭の半分では本気で入くんを心配し、もう半分では家にいる入くんの事を思っていた。
 みんなの話す入くんと、僕の知る入くんはまるで別物だった。僕の家にいる入くんとは、同姓同名の他人を探しているような、そんなおかしな気持ちだった。


「入くん、遅くなってごめん。みんな、入くんのこと心配してたよ」
 やっと放課後になって、雑用を済ませていたら帰る頃には日が落ちていた。
 急いで寝室に向かい、扉を開けると悪臭がした。
「ああ、よかった。うんち出来たみたいで。今片付けるから」 
 ベッドの上側に丸まっている入くん。肩を撫でるとビクンと震える。
 もし間違って汚物に触れていた時のことを考え、汚れを拭くために持ってきたタオルで入くんの尻を拭いてあげる。幸い身体には付いていなかったが、排泄した時のまま、乾いてへばりついた汚物は気持ち悪かっただろう。
 尻を拭いていると、僕のもう片方の腕、袖口を入くんがかぷりと噛んだ。よく見ればガタガタ震えている。
「入くん、どうしたの?」
 僕が聞いても首を横に振るだけで、噛むのを止めない。タオルをほかして、入くんを抱き寄せるとようやく噛むのを止めた。僕の胸に顔を埋めて、スンスン鼻をすすっている。
「目隠し外すよ」
 声をかけてから目隠しを外す。腫れて赤くなった瞼を重たげに開き、濡れた瞳が僕を見つめた。
 一日中泣いていたのだろうか。
「喉乾いてるよね?今飲み物、」
「い、いかないで!置いてかないで、せんせ、やだ、置いてかないで」
 入くんはそう言うと頭をぐりぐりと擦り付けてくる。相当不安にさせてしまったらしい。まさかこんな可愛い入くんが見れるとは。
「大丈夫、僕はどこにも行かないから。うんちだけ片付けよう」
「や、やだ、はなさ、ないで、」
 ヒューヒューと息が荒くなっていく。どうやら過呼吸気味のようだ。けれど汚物があってはなにも出来ない。僕は入くんをベッドに寝かせ、落ち着かせるために頭を撫でてから急いで片付けをした。
 その間も、せんせ、せんせ、と泣いて呼ぶのが愛おしくて仕方なくなる。
「入くん、ビデオ見ようか」
 泣き疲れた入くんにペットボトルの口を向けると、口を浅く開いて受け入れる。朝と比べて随分従順になったようだ。
「入くんが上手にうんちしたところ、録画出来てるか確認しよう」
 入くんはぽかんとしている。僕は設置していたビデオカメラを停め、パソコンと繋ぐ。
 正面から撮っていた物はスクリーンに映し出し、あとの斜めからのアングルは手元に置く。若干のズレはあるものの、3台同時に再生させた。

『ああっ、うーー、うっう、う、』
 スクリーンの入くんは、ベッドで苦しそうに悶えている。足先がぎゅっと丸まって、全身で堪えているのが伺えた。
『あーーーっ、あーーーーっっ、あ、はあはあはあはあ、』
 腹痛の波があるのだろう。入くんは必死になって堪えては、治った時に浅く早い呼吸を繰り返した。その波も段々強く、激しく、間隔が短くなっていく。
『あああやだあっせんせ、せんせえっっあーーーっひいいい、あああ、せ、んせっヤダァああっ』
「み、な……見ないでっ見ないで」
「どうして?すごく可愛いよ、入くんがうんち堪えてるところも、堪えきれなくて漏らすところも」
 臭いまでしそうなほどの映像が音と一緒に流れる。入くんは顔を背けた。僕は余すとこなく見ようと画面に食いつく。
『はあ、っああ、あ……』
「見ないで……」
 入くんは目をつぶり、小さく訴えた。
 スクリーンの入くんは、今しがた出したうんちの上におしっこをしていた。それは気持ちよさそうな声を上げながら。
「見ないで……」
 僕はどうしようもない興奮をどうしようかと、息を荒げた。