「あれ、今日オムツ穿いてるんだっけ」
「は、は、は、穿いてる……はず」
二日目の満員電車、俺がそう聞くと伊津はサッと青褪めた。今日も今日とて、膀胱をパンパンにして出てきたわけだけれど、果たして寝ぼけ眼の伊津はオムツを穿いたかどうだか無意識だった。
「まあ、試しに漏らして見たらわかるか」
「や、やめろ……手、離せ」
スーツの上から確かめようとしていた伊津の手を掴み、万歳させて吊革ごと握り込む。俺の自由のままにある右手で、歪に膨らんだ腹を撫でた。
「あっああ……」
ちょっとの刺激で声を上げる伊津に思わず舌舐めずりした。
「あ、伊津先生に出須玖(デスク)先生。おはようございます」
「おはようございます、桃木(トウキ)先生」
不意に呼びかけられ、伊津の身体が面白いくらいに跳ねた。俺の後方からひょこりと顔を現したのは、同期で養護教諭の桃木だった。
「あれ、伊津先生具合悪そうですね」
「っい、え、大丈夫です。おはようございます、桃木先生」
俯いていた顔を上げて、笑顔を繕う伊津のプライドの高さは中々だ。そのおかげで俺の手が伊津の腹に食い込んで、ジワリと漏らしたらしく膝が震えているようだったが。
「珍しいですね、いつもはもっと早いですよね」
「ええ、ちょっと……佐上(サガミ)が寝坊したので」
桃木が苦笑いして横に視線をやる。そこにはまだ半分寝ている、生徒の佐上が寝癖もそのままで電車が揺れるがままに揺られていた。
そういえば、桃木は連休に入る直前に骨折して、その原因だからとかで佐上が桃木の世話を焼いているという話だったか。
元々家庭に事情のある佐上で、前々から桃木に世話になっているとは聞いていたが。
「こら佐上、桃木先生に迷惑かけてないだろうな」
伊津は顔をキリッとさせて寝ぼけた佐上に厳しめに声をかける。担任だから恥ずかしいところは見せられないのだろう。
そんな伊津の腹を掌底でさらに押してやれば、一瞬目を開いて俺を見た。電車の揺れを利用して逃れようとするが、腰を抱いて逃さない。
「いえ、結構頑張ってくれてますよ」
「せっかくだし、こき使っていいんじゃないですか」
俺の言葉に桃木はクスクス笑った。ここまで佐上の反論がないのは、立ったまま器用に眠っているからだ。
「ねえ、伊津先生?」
「っは、い、そうっですね」
伊津の声が不自然に跳ねる。俺の手のひらがゆっくりと腹部を押し下していったからだ。股間を下からやんわりと手のひらで揺すってやれば、限界をとっくに超えた伊津は、カクカクと腰を振って放尿し出す。
「ああ、よかったね、オムツしてて。生徒の見てる前で粗相するなんて、はしたないから」
作り笑顔が快感でヒクついて歪みそうになっている。それを必死で堪える伊津は、立派な先生だ。
俺の手のひらに押されながら、オムツの中での放尿は中々終わらなかった。