「か、き、く、く〜ん」
ベッドで寝ている柿狗くんの隣に僕も潜り込む。子供みたいに高めの体温が心地良い。
急に入ってきた僕の体温が低すぎたのか、僕の手が触れるとベッドの奥にもぞもぞ逃げられてしまった。うーん、悲しくなる。
でもそんな事にめげずに、僕は伸ばした腕を柿狗くんの腰に回し、正面からぎゅーっと抱きしめてあげる。
丁度いい具合にお肉が付いていて心地よい。
女性みたいな柔らかさはないけれど、骨ばってごつごつってわけでもない。なによりおさまりが丁度いいんだよね。
「んー……なに……」
眠たげな柿狗くん。
柿狗くんの睡眠時間てすごいんだよね。1日の半分以上は寝て過ごしてるよ。
逆に起きてるとき、何をしてるのかはよくわからないけど。睡眠時間多すぎても体に良くないって言うしね。
まあ、生放送始めてからは割りと平均的な睡眠時間になってきたかなあ。
「なんでもないよ?」
僕が言うと、薄目を開けてちらっと僕を見て、また目を閉じた柿狗くん。
なんていうか、意地でも寝てやる!って感じだよね。
「んー……じゃあ放せよ……」
僕を邪魔そうに手で押してくる。寝起きの柿狗くんはやや不機嫌だ。
まあ、誰しも熟睡中を起こされたら不機嫌になるよね。
「僕だって柿狗くんに甘えたくなるときはあるんだよ」
と言いながら、柿狗くんの首筋に顔を埋める。
すーっと鼻から息を吸うと、柿狗くんの匂いがして僕は幸せだ。
くしゃくしゃのTシャツの中に手を入れると、柿狗くんの身体がビクッと跳ねた。僕の手、まだ冷たいのかな。
背中に手を回し、肌の感触を楽しむ。肩甲骨を指でなぞると、くすぐったいのか、ううん、と呻いた。
「柿狗くん可愛い」
「んん……」
柿狗くんの手が僕の腕を押し退けようと掴むけれど、寝起きの柿狗くんが僕の力に勝てるわけもなく、僕はますます強く柿狗くんを抱きしめた。
浮き出た鎖骨に舌を這わせると、汗で少ししょっぱい。キスマーク付けたいなあ、痕を残したいって思うのは独占欲の表れなんだろうな。
「なに……今日のお前、うざい……」
目を開けた柿狗くんが僕の顔に手のひらをびたっとつけて押してくる。
うう、うざいなんて酷い……。
「しゅん……」
口でしゅんとしてみる。
これまでの柿狗くんの動画見てたら、なんだかすごいムラムラしちゃってさ。そういう事ってあるでしょう?
いつだって柿狗くんは可愛いと思うし、惨めな姿には興奮するし、お尻の穴にだって早く僕のおちんち○入れてぐちゃぐちゃに犯してあげたいよ。
でも、なんていうか、気持ち的に柿狗くんが欲しい時だってあるんだ。
可愛い柿狗くんを泣いて善がらせてあげたい時と、ただただ触れていたい時とあるんだ。
もちろん男だから性的に興奮しもするけど。
「変な奴……」
柿狗くんは呟いたあと、僕の背中に手を回した。
普段そんなことしない柿狗くんが、そんなことをするだけで、僕は幸せいっぱいになる。
ああ、どうしよう、僕って僕が思っている以上に、柿狗くんの事大好きみたい。
「ん……こっちのがいいかも……」
僕の背中に腕を回して抱き合った体勢の方がおさまりがよかったらしく、柿狗くんは呟くと、すやすやと眠ってしまった。
僕と言えば、可愛い寝顔を眺めてるだけで全然飽きが来なかったので、ずーっと眺めていた。
結局、トイレに行きたくて目を覚ました柿狗くんをずーっと抱き締めて、お漏らしして僕の服も濡れる感覚を楽しむまで放してあげなかった。
終わり