31拡張

 ジャーー。ガチャ、パタン。
「うわ」
 トイレから音がしたので待っていると、出てきた柿狗くんが僕に驚いた。いや、いると思わない人が突然現れたら驚くのわかるけどね、お化けかGでも出たみたいな反応だと悲しくなるよねー。
「うんちした?」
「……したけどなんで」
 今日顔合わせて開口一番に聞くことじゃなかったかな。
 訝しんで僕のこと見てるね。
「お尻の穴慣らしとこ?生放送だけじゃ時間かかるから、生放送外でもしないと」
 逃げられないように(とは言ってもニートの柿狗くんが逃げられる場所なんて布団の中ぐらいだし、そんなの引っぺがせば済むんだけど)手を握ると、その握った手をじーっと見つめる柿狗くん。はっ、柿狗くん手洗ってない?!
 あ、でもしっとり濡れて、スウェットの丁度手の当たる位置も濡れてる。面倒臭がりだからズボンで手拭いちゃうんだよね。
「……浣腸やだ」
 ぼそっと柿狗くんが言った。
「うん、浣腸はしないよ、お尻舐め舐めするわけじゃないし。あ、僕に舐めて欲しかった?」
「欲しくない!」
 僕が聞くと柿狗くんは顔を真っ赤にして言った。
 なーんだ。柿狗くんが舐めて、って言うなら僕は喜んで舐めてあげるのに。
「柿狗くんうんちしたばっかだし、コンドーム使えば平気だしね。お部屋行こうか」
 あんまり乗り気じゃない柿狗くんの手を引き、すぐ目の前の柿狗くんの部屋へ。俯いてなにか考え事してる柿狗くんが、顔を上げた。
「ほんとにすんの?」
「ん?なにを?」
 柿狗くんの手が緊張してるのか、冷たいのに汗をかいている。僕の体温であったかくなーれ。
「……あ、あなる、せっくす……」
 言いづらそうな柿狗くんが可愛いすぎて辛い。一気に僕の体温とテンションが上がって、胸がドキドキしちゃう。
「うん、するよ。柿狗くんだって僕のお尻におちん○ん入れたでしょ?僕だって柿狗くんのお尻の中に入れたいもん」
 僕は柿狗くんに向き直り、繋いでいた手をぎゅっと握る。
 俯きがちな柿狗くんの額に額を寄せて、気持ちが伝わりますよーに、ってお願いする。
「僕とアナルセックスしたとき、気持ち良かったでしょう?入れられる側でももーっと気持ち良くなれるんだよ。そのためにゆっくり優しくお尻の穴慣らしていってるんだよ?もっともっと優しくして欲しいなら、柿狗くんのお願い聞くよ?柿狗くんが願うんなら、一日中お尻の穴舐めてあげたっていいんだよ?」
 1番困るのは、柿狗くんがお尻弄られるの嫌だって思う事だからね。痛みを除外しても、気分的な問題で気持ち良くならない事もある。
 気持ち良くない状態で柿狗くんとアナルセックスしたって、それじゃあ意味がないんだ。
「そ、そんなのしなくていいし……人のケツなんてよく舐めれるよな……」
 きゅーっとなって焦ってる柿狗くん可愛いなあ。
「柿狗くんだから僕もなんだって出来るんだよ?柿狗くんだーいすきだもん」
 え、ちょっと柿狗くんなにその反応。
 目を見開いて泣きそうな顔しないでよ、そこは赤くなって照れるところでしょう?
 そんな顔されたら僕まで動揺しちゃうじゃない。せっかく甘々だった空気が、緊張感で凍りついた。
「……だめ?」
 僕は恐る恐る柿狗くんに聞いた。なんか緊張して、僕の手まで冷や汗かいてるよ。
「……だめじゃない……」
 素直にいいよ、とは言わないけれど、頷いてくれた柿狗くんにホッとしながらベッドへ。
 先に僕が座り、開いた足の間に柿狗くんも同じ方向を向いて座ってもらう。
 大きい鏡置いて、自分の姿見ながらのオナニーとかいいかもね。でも生放送し辛いから、やるとしたら僕と柿狗くんの二人だけでだ。
「僕にもたれかかっていいよ」
 猫背な柿狗くんの背中が可愛くて、ぬいぐるみみたいにぎゅーっと抱きしめる。
 そのまま僕の方にぐいっと引き寄せて、僕は壁に、柿狗くんは僕にもたれかかる。
「あ、オレンジジュース飲んでてね」
「また飲むの?」
 すっかり忘れていた、横に置いてあった500mlの小さい紙パックジュースを手渡す。パブロフの犬実験は続行中だからね。
「うん、飲み終わらなくてもいいけど、水分補給してほしいからね」
 まあ、水分補給だったらオレンジジュースより薄めたスポーツドリンクとかの方がいいんだろうけど。
 腑に落ちない風の柿狗くんは渋々オレンジジュースにストローを差して、準備万端だね。
 柿狗くんに腰を少し上げてもらい、スウェットとパンツを下ろす。
 ローションをおちん○んからお尻の方まで満遍なくかけて、左手でおちん○んを扱き、右手でお尻の穴の周りを触っていく。
「ん……ん……」
 ゆったりとした刺激に、柿狗くん気持ち良さそう。
 目をつぶってオレンジジュースをんくんく飲んで、いっそ眠たげなくらいの柿狗くんは赤ちゃんみたいだ。
 お尻の穴をノックするみたいに、中指の腹でトントンと刺激する。おちん○んも扱いてあげてるからかな、身体の緊張はないみたい。
 穴を大きな円を描くように指でぐりぐりして、呼吸に合わせて指先を入れた。
 昨日の今日だから、わりとすんなり、第一関節まで入る。おちん○んを扱くのも忘れない。指は折り曲げて内壁をいじるより、抜き差しした方がよさそうかな。
 そのまま中指を少し奥まで入れた。
 うんち平気そうだし、このままコンドーム無しでもよさそうだね。
 おちん○んを上下するのに合わせて、指を抜き差しする。お尻が気持ち良いよー、って言ってるみたいに、指をぎゅうぎゅう締め付けてくる。
 一旦おちん○んから手を離して、ローションを注ぎ足し。お尻にはまった中指に人差し指を添えて、挿入を試みる。
 先に親指入れて穴自体を拡げた方がいいかな?
 ぬるぬると穴の淵をなぞりながら、中指を一度抜いて、中指と人差し指を一緒にゆっくり挿入する。
 柔らかくなったお尻の穴は、2本の指の第一関節までを受け入れてくれた。
「大丈夫?痛くない?」
「ん……」
 少し息が上がった柿狗くんに確認しながら、指を回して穴を慣れさせる。
 おちん○んの方を重点的に刺激してあげて、なるべくそっちに意識を向けさせよう。
「あ、もしかしてイっちゃいそう?うーんと、もうちょっとだけ我慢してね」
 お尻の穴抉ってる状態でイってほしいので、左手で扱くのをちょっと緩める。
 前立腺いじってイくのはまだ無理だろうから、お尻の穴いじりながらイってもらって、お尻気持ちいいって思ってもらわないとね。
「よしよし、指二本入ったよー。見える?触ってみて」
 柿狗くんが僕を見上げたので、にこっと笑いかける。
 だからなんでふいっと顔を逸らすのかな。昔っからそうだから、いいんだけど、いつか微笑み返してくれたらなあ。
 柿狗くんはおずおずと手をお尻に伸ばした。
 お、積極的でいいですねえ。僕の指を辿って、お尻の穴へ触れるとビクッと身体が跳ねる。
 拡がった穴にびっくりしたのかな。うんちする時だって結構拡がってるんだけどね。
 僕の指を辿る柿狗くんの指が若干こそばゆいなあ。僕は止めていた左手を動かして、おちん○んをまた扱き始める。
 急に動き出したからびっくりしたよね、お尻の穴がきゅうきゅう締め付けてくる。
「イきたかったらイっていいからねー」
 お尻に入った指も浅く抜き差しする。お尻に指二本入って、今日はこれで満足かな。
「ん、んっ、っ、は、っああ…」
 あ、イきそうみたい。
 根元から絞り出すみたいにきつく扱くと、身体がぎゅっと固まって、それから勢い良く射精した。
「あ、ほらイってコリコリになってる。ここ前立腺だね」
「あー……あーー……っ」
 お尻に入れた方の指先に当たるコリコリを刺激すると、柿狗くんの身体がビクビクと震えた。
 びゅうびゅうと溢れるような精液に、快感が増したことが窺い知れる。
「前立腺気持ちよかったねー」
「あーあーー……う、あ……」
 しょろ、しょろしょろ……。
 精子出し切ったあとも前立腺を刺激していると、おしっこも漏らしてしまう柿狗くん。
「あ……あ……」
「うんうん、気持ちいいねー」
 おしっこなんだけど気持ちいい顔してるから、そのまま終わるまでゆるゆる扱きつつ、前立腺も刺激してあげた。
 今日は気持ちいい事ばっかりで、しばらく今日のこと忘れられなくなるかな?
 最後にローション濡れのお尻の穴をお風呂場で洗ってあげる時は、身体がくてんとして、力が抜けてて可愛い。
 お尻も力が入らなくて、シャワ浣するとぶしゃぶしゃ水を垂れ流す様なんて垂涎ものだ。
 もうちょっとで僕のおちん○んも入れられるかな?楽しみ。


終わり