32目隠しプレイ

「今日は目隠しプレイしちゃうよー」
 画面に映っている柿狗くんは、アイマスクをして口をガムテープで塞がれ、手足は椅子の肘掛辺りに縛り付けられている。もちろんM字開脚。
 最近は手を自由にしてたり、口にガムテープもしてなかったから完全拘束は久しぶりだね。
「シールモザイクかけてるので、黒塗りの下はおちんち○剥き出しだよ」
 カメラにシールを貼っておいたので、股間丸出しだけれど、全景を撮影した画面上の股間部分は黒塗りになっている。
 本当はそういうエフェクトをかけての撮影も出来るんだろうけど、これで十分だよね。
「罰ゲームは30分耐久でーす。今から尿道バイブを使って刺激するので、イったら次回も罰ゲームです。それじゃ始めよっか」
 カチン。ぶぶぶぶぶ。
 黒い尿道バイブのスイッチを入れて、振動させる。
 今日の柿狗くん、すっごい静かなんだよね。身体にも力入ってて緊張してるのかな?
 まあ、目が見えない分神経過敏になるからね。
 僕は椅子の横にしゃがみ、おちんち○の先にそっと尿道バイブを近付ける。びくんっ、触れた瞬間柿狗くんの身体が震えた。
 柿狗くんて割りと敏感に反応してくれるけど、目隠しするといつも以上に過敏ね。
 またそーっとおちんち○に尿道バイブを近付ける。触れるか触れないかで柿狗くんの身体がびくんと反応した。
 お、動ける範囲で腰が引けて逃げようとしてるみたい。
 でもほとんど動けないし、逃げ場はないよ、柿狗くん。
 ここで不意打ちだ。
「っっっ」
 ふっ、と耳に息を吹きかけると予想だにしてなかった柿狗くんはびくんと反応して、頭を仰け反らせて硬直した。
 いちいちリアクションの大きい柿狗くんをいじるのは楽しいんだけど、なにか物足りなさを感じる。
 なんだろう、なにか違和感。
 身体の緊張も全然取れてないみたいで、縛られた手はぎゅっと白くなるほど固く握り締めてる。……大丈夫かな?
 萎えっぱなしのおちんち○の先に、尿道バイブをそっと当て、尿道口を刺激してあげる。
 ぶしゅっ、じょろじょろじょろ。
「え?あ、わ」
 急に柿狗くんがお漏らししたので、僕は尿道バイブを離した。
 お漏らしすることはそう珍しい事ではない。
 けれど、いつも柿狗くんが呻いたり、放尿を堪えたりして我慢しきれなくなるなー、という瞬間がなんとなくわかったりする。でも今日はそれが一切なかった。
 今日、なんか柿狗くんおかしくない? 視聴者もそれを感じたのか、そんなコメントが流れている。
 ってあれ、柿狗くん泣いてる?!
 アイマスクから涙が滴り落ちた。僕は尿道バイブをかなぐり捨てて、柿狗くんのアイマスクを外してあげる。
「どしたの、柿狗くん?大丈夫だよ?泣かないでー」
 呼吸がなんだかおかしいので、ガムテープを外し口の中に入れていたパンツも取り除く。
 窒息しないようにはしているので、パンツが喉に詰まったわけではない。過呼吸になっちゃったかな?
 ひっ、ひっ、と苦しそうに息を吸う柿狗くんが痛々しい。
 静かに泣きながら柿狗くんが僕にもたれかかってくる。
「過呼吸なっちゃったかな?暗いの怖かったかなー。大丈夫だよー、ごめんねー、気付いてあげなくて」
 急いで手足のガムテープも外してあげると、柿狗くん僕にしがみつくみたいに抱き付いてくる。
 肩に顔を押し付けて、えぐえぐと泣いている。
 ぎゅーっと抱き付いて離れそうもない柿狗くんの背中を、赤ちゃんにするみたいにぽんぽんと撫でてあげた。
「ふ、ふー、ひっ……は、ふ……」
 なんとか呼吸してるみたいだけど、すごい不安定。精神的なストレスで起きる過呼吸(過換気症候群)はとにかく落ち着かせてあげないといけないからね。
 僕も柿狗くんをぎゅーっと抱き締めて、大丈夫だよー、と何度も言ってあげる。
 咄嗟にマイクの電源切ったけど、もし入ったままだったら衣擦れの音が酷いことになってただろうなあ。
 とにかくこんな状態で生放送なんて無理だけど、それは視聴者もわかってくれてるのか、心配するようなコメントが流れていた。
 柿狗くんの様子がおかしかったのはわかっていたのに、こんなになるまで気付けなかった事が悔やまれるなあ。
 柿狗くんをぽんぽんしている内に、すーすーと言う寝息と重く体重がかかってくる。
 柿狗くん寝ちゃったかな?
「えーと……今日はこんな感じで……柿狗くんは寝ちゃったみたいなので、もう大丈夫です。心配かけちゃいましたねー。それじゃ、また」
 マイクを入れて一応視聴者に挨拶をして、生放送が終わる。
 柿狗くんをベッドに寝かせて後片付けをしようとするけど、柿狗くんの手が僕の服を握り締めているのを離させるなんて出来なくて、僕も一緒に横になる。
 アイマスクで真っ暗になって、嫌なこと思い出しちゃったのかな?怖い思いさせちゃったなあ。
「ごめんね、柿狗くん」
 眠る柿狗くんに囁くと、安心したような顔で寝息を立てているのでホッとする。
 柿狗くんが今だ僕にすがりついてくれる事が、僕にとっての救いだった。


終わり