62エネマグラ

 ついに購入してしまった禁断の性具。
 エネマグラ。
 大げさな装置をイメージしていたけれど、手のひらから少しはみ出るくらいの大きさだった。
 直腸に挿入して前立腺を刺激する棒の部分、会陰を抑えるへらの部分、蔓のような持ち手部分をそれぞれ握り、感触を確かめる。
「柿狗くんも触ってみる?」
「触らない」
 ベッドの上でうつ伏せになって、横に座る僕の手元をじっと見ているから、柿狗くんもエネマグラ触ってみたいのかと思った。
 まあ、不安だよね。
 柿狗くんはぷいっと顔を横に向けてしまったので、頭を撫でてあげた。
「前立腺に刺激感じるまで時間かかるらしいから、先に入れて少し経ってから生放送するね。横向きになってねー」
 肩をぽんぽんと叩いて、右肩を上に、僕に背中を向ける形で横向けにさせる。
 足の方に移動して右足を触ると柿狗くんがびくっと反応する。
「足上げるよー」
 膝裏に手を入れて上げさせる、まるでエクササイズのような格好。
 産卵ごっこ2回目の時に使った、お尻の穴が空いたパンツのみを穿いてもらってるから、おちん○んの形がくっきり浮き出てていいな。
「ローションつけるからちょっと我慢してね」
 浣腸を何度かしておいたから、お尻の穴は少し緩く、ローションを塗りたくった人差し指はするすると入った。
 でも相変わらずその感覚に慣れないみたいで、柿狗くんは眉間にしわを寄せて、ううん、と唸る。
 柿狗くんの生足すべすべ。すね毛が生えてるけど、薄いくらいなんだよね。美味しそうなふくらはぎは、噛んだら怒られるかな。
 そんなことを考えつつ、柿狗くんのお尻の穴に中指も挿入。
 ちょっと多めにローションを入れておこう。
「今日は前立腺責めるから、頑張ってね」
 前立腺の刺激って一度イくと延々気持ちいいらしいけど、イくまでが結構大変みたいだからね。
 軽く指で撫でてあげると、んんー、と声を上げる。
「そろそろ入れるよ」
 エネマグラにもローションを塗り、穴にあてがう。
 無機物が触れて緊張してるのか、少しお尻に力が入ってるね。
「柿狗くん、大丈夫だからねー。はい、息吐いてー」
「ふー……」
「吸って」
「すー」
 お口を尖らせて声に出して言ってる柿狗くん、おバカさんで可愛いなあ。
「吐いて」
「ふーっ……う、う、」
 息を吐いた時を狙って差し込むと、柿狗くんが一瞬びっくりして呼吸を止めるのを、なんとか吐き出そうとするのがすごく健気。
「いいよ、入った。奥まで入れるからねー」
「ん……」
 ゆっくり挿入していく。
 自分の身体じゃないから、柿狗くんの前立腺探すの難しいなあ。
 前立腺のある側に添えながら、ゆっくりずらしていく。
 だいたいお○んちんの裏側あたりだから、この辺かなー、と目星をつけて。
「んん……」
 柿狗くんが顔をベッドにうずめて唸った。
 どうやらこの辺でいいみたいだね。
「柿狗くんゆっっくり息吸ってー、お尻の中意識してみて」
「ん……はあ……」
 お尻が呼吸に合わせてゆっくり収縮すると、エネマグラの先端が前立腺を押さえつけるように刺激するみたい。
 気持ち良さそうな吐息だ。
「足下ろすよ」
 上げさせていた足を下ろすと、圧迫感が増すみたいで、柿狗くんは、んー、と眉間にしわを寄せる。
「お尻の穴、ぎゅーってしてみて」
「……やだ」
 柿狗くんの可愛い拒否に、頭を撫でてあげる。
 普通に呼吸しているだけでも、エネマグラを締め付けてしまうからね。わざわざぎゅーっとして前立腺を強く刺激するのが怖いんだろうなあ。
「ん……ん……」
 ほら、無意識の内にもエネマグラを締め付けて、前立腺を刺激される感覚に身体を高揚させていってる。
 僕が触らずとも、快楽の無限ループはじきに始まるだろう。
「……は、ああ、……っ、う、……あ……」
 熱が上がってきたみたい、そろそろ生放送始めようか。
 僕はパソコンをいじって、生放送を始めた。
「こんばんは、今日は柿狗くんの罰ゲームです。エネマグラを購入してみたので、柿狗くんにはずーーっと気持ちよくなってもらうよ。もう入ってて、そろそろ気持ちよくなってるみたい」
 画面上にはベッドに横たわり、腰をぐねぐねさせている柿狗くんが映っている。
 快楽に腰を振って、とてもやらしい。
「んんう、あーー、っはあっはあっ、っっあー」
 高まってきてるみたいだね。腰がガクガク震えて、背筋がぴんと伸びている。
 柿狗くんのお○んちんからはやらしい汁がいっぱい出ているのか、パンツの前面はびしょびしょになっている。まるでお漏らししたみたい。
 柿狗くんはとろけた目で気持ち良さそうに喘いでいる。
「ああっは、っっううあ、っあっ」
 よだれをたらたら零しちゃって、喘ぐのを止められないみたいだね。
 そろそろイくかな?
 イき始めたら、もう、止まらないからね。
「んあっ……はあはあ、あ、あああ、っあ、あっあっ」
 柿狗くんの快感に濡れた瞳が見開いて僕を見つめている。
 僕も見つめ返した。
 ほら、柿狗くんの快感スイッチ、入れちゃいなよ。
「ああっあーー、っっあーーー………ああっ、あーっ、あ、はあはあ、あっ、あ」
 苦しそうに顔をしかめて、身体をビクビク痙攣させる。
 イってエネマグラを思い切り締め付けてしまったんだろうね。次の快楽の波に、もう溺れている。
「っっっあ、……っあー、……っはあっ、はあっっっあー」
 声も出ないほど気持ちいいみたいで、ビクビク震えては身体を弛緩させて、またつってしまいそうなほど身体をピンと緊張させる。
 射精と違った絶頂を繰り返し、終わりのない快楽に泣き喘ぐ。
 ドライでイくのって、ウェット(射精)でイくより体力消耗激しいらしいからね。
 今はもう喘ぐ力もないのか、はあはあ言いながら、それでもまだ絶頂が止まらないみたい。
「ああ、柿狗くん、あと10分だからがんばろ」
 お尻に手を伸ばしてエネマグラを抜こうとするから、僕は柿狗くんの後ろに回ってその手を抑えた。
「やだあっあ、も、やあっやらあっ……んっあっあや、やっあっあ」
 赤ちゃんみたいに泣いちゃって、それでも気持ち良くて、良すぎて苦しくて。
 ぐしゃぐしゃになって快楽に溺れる柿狗くんが、僕の腕に縋り付いてくる。
「気持ちいいねー、もう少しだからね」
「あーーっ……はあ、はっ、あ、っく、ひっく……」
 手を頭の上で押さえて、エネマグラの持ち手を掴んで前立腺を刺激してあげる。
 イってからひくひくと泣きながら、またイってを繰り返す。
「ううっあ、っ、」
 一瞬グルンと白目を向いてカクンと身体の力が抜ける。
 意識を飛ばしたみたいで、それでも前立腺をグリグリすると、うう、と呻いた。
「そろそろ時間だし、柿狗くんも意識飛ばしちゃったので今日はこのへんでー」
 生放送を終えて、弛緩した柿狗くんのお尻からエネマグラを抜き取る。パンツを下ろしてあげると、お○んちんは萎えてしまっていた。
 くてんと萎えたお○んちんが可愛くて扱いていると、おしっこが漏れて床を濡らした。
 だいぶイったみたいだし、身体筋肉痛になって辛いかもなあ。
 これだけイったんだから、お尻の感覚もしばらくは違和感あるかも。うんちするだけでイくようになったらいいんだけど、それはさすがに無理か。
 眉間にしわを寄せて眠る柿狗くんの額にキスをして、布団をしっかりかけてあげる。
 お疲れ、柿狗くん。