今日から来週の月曜まで、休みをはさんで球技大会が行われる。
普通は2、3日で終わるものだけれど、男子校のこの学校は出来るだけ多くの競技をするため4日間やるそうだ。俺はよく知らない。
アイツは、真崎(マサキ)というらしい。そう呼ばれてたし、体育館履きの袋に汚い字で書かれていた。
それで参加競技が同じだから、一緒に行動することになった。というか、いつの間にか連れ回されていた。
俺の参加競技はサッカーとバスケだった。
俺が休んでいる間に決まってて、何に参加なのかも、さっき真崎に言われて知ったところだ。今日はサッカーだった。
面倒で、球技大会自体サボるつもりだったし、そうでなくても下手だから補欠だったのに、一人骨折した奴がいて出ることになった。馬鹿で迷惑なやつ……。
「長谷危ない!」
真崎の声。それから強い衝撃に倒れる。
真っ暗で、このまま死ねたら楽なのに。
それだけ思った。
目を覚ますとお馴染みの保健室だった。
面倒で、ただつったっていた俺の後頭部にサッカーボールが当たったらしい。とろくせぇ、俺ってほんと。
養護教諭に、後頭部にコブが出来たから気をつけてねと言われた。やっぱり死ねないんだと思うと残念だった。
今日の試合が終わってから、真崎とその友達が様子を見にきてくれる。
「明日は試合ないし休んでも平気だから」
なあ俺は、ただのクラスメイトには戻れたのかな。