3/15 木曜日 晴れ

 行く理由はないが休む理由もないわけで。なんだかんだで学校は嫌いじゃないらしい。
 違う、真崎が。真崎なら俺を友達にしてくれるかもしれない。
 認めたくないけど、そんな甘い期待を持っていたのも事実だ。久しぶりの温もりが、麻薬に飢えた中毒者のような俺の心を満たしてくれるらしい。
 だから学校に行ってしまう。だって、どこにいたって変わらないし。

 真崎の友達は試合があって、色々回る内に二人きりになっていた。施錠された校舎の、鍵を開けておいた窓から入り教室で話す。
 テレビの話。漫画の話。部活の話。友達の話。宇宙についての男のロマン。
 全部真崎が話したことだけど。
 楽しかった。泣きそうな程。
 携帯の番号も交換した。友達だよな、もう。
 俺は単純だから、それだけで思ってしまう。
(死ぬの……止めようかな)
 それと同時に、俺は真崎と友達以上になりたいと思ってる事に気付く。目が合わせられなくなった。
 俺は醜い。体も、心すらも。