行く理由はないが休む理由もないわけで。なんだかんだで学校は嫌いじゃないらしい。
違う、真崎が。真崎なら俺を友達にしてくれるかもしれない。
認めたくないけど、そんな甘い期待を持っていたのも事実だ。久しぶりの温もりが、麻薬に飢えた中毒者のような俺の心を満たしてくれるらしい。
だから学校に行ってしまう。だって、どこにいたって変わらないし。
真崎の友達は試合があって、色々回る内に二人きりになっていた。施錠された校舎の、鍵を開けておいた窓から入り教室で話す。
テレビの話。漫画の話。部活の話。友達の話。宇宙についての男のロマン。
全部真崎が話したことだけど。
楽しかった。泣きそうな程。
携帯の番号も交換した。友達だよな、もう。
俺は単純だから、それだけで思ってしまう。
(死ぬの……止めようかな)
それと同時に、俺は真崎と友達以上になりたいと思ってる事に気付く。目が合わせられなくなった。
俺は醜い。体も、心すらも。