球技大会3日目の今日はバスケの試合が3本。絶対組み合わせとかおかしい。
頑張ってはいるけど、心の中でずっと叫ぶ。
『もう嫌』
『ムリ』
『死にたい』
また校舎に侵入して、窓の外に見える男の戦い(グラウンド競技、昨日はドッヂボールで今日は野球だ)を眺めた。
俺のクラスは1年の運動神経がいいやつらが集まっていて、結構いいところまで勝ち進んでいるようだ。
その中で運痴の俺はお荷物なはずなのに、真崎は、みんなは優しかった。
真崎が友達に呼ばれて応援に行く。俺も誘われたけど試合で疲れてたから断った。
それに正直、真崎以外とは仲良くないから場違いな気がして、空気が辛かった。
真崎を見送って教室に戻ろうとして、俺は固まった。振り向くと2年生がすぐ目の前にいて、俺は走り出した。
嫌だった。真崎と楽しかったのに。なんで、って。
すぐに追い付かれるのはわかってる。
逃げれば逃げるほど恐怖が沸き上がる。
渡り廊下の窓の外に真崎が見えた。
「真崎っ……」
名前を呼んで、助けを求めようとして、やめた。
真崎は助けてくれる?俺のしてきた事を知ったらどう思う?俺の気持を、知ったらどう思う?
真崎は巻き込みたくない。なにも知られたくない。
俺は目の合った真崎に手を振って、真崎も振り返して、それから逃げ出した。
当たり前に捕まって、殴られた。いつもより痛かった気がした。