朝兄貴の作った飯を食べる。腹は空いてなかったけれど、ただなんとなく勿体無く思っただけ。
11時を過ぎる。
もう学校は終わっただろうか。真崎が昨日、部活はないけど通知表を顧問に見せて、それから来ると言ってた。
いつ来るのか、俺は少しどきどきしてた。うわ、乙女かよ、って。
しばらくしてドアが開く。
真崎かと思ったら、2年生だった。不良3人組。最近この人たちばっかだ。
嫌い。フラッシュバック。嫌。どれも変わらないけど。
抵抗出来なかった。体力が落ちて息するのも精一杯だった。声も出ない。
真崎……。
夕方、やっとで終わる。
「長谷ー、勝手に上がんぞ? おじゃましぁーす」
入れ替わりに、真崎が、部屋の入口に立っていた。アレの酷い臭いか、そのままの今の現状か、眉間に皺を寄せている。
見られた。汚い俺を。
静寂の数秒間。
「なに、え、なにしてんの」
なにしてんの。俺が聞きたいよ。
「……あ、さっきの……?」
どうやら2年生にすれ違ったらしい。ドアを見て、俺に視線を戻す。
見ないで。汚いから。見ないで。
見ないで。
嫌わないで。
汚い俺を嫌わないで。
「……ごめ」
ぶつっ
音を立てて世界が飛んだ。
暗闇