3/2 金曜日 曇り

 今日からの期末テストは手応えとしては良くも悪くもなかった。数日前から地道に勉強してきた俺は偉い。
 2年生は進級に関わるらしく、昨日は来たのに今日は来ない。2年生は馬鹿ばっかなんだ。どうせなら退学になってしまえばいいのに。
 昼過ぎの家は、シンとして静かだった。家には俺しかいない。
 親は随分前に、それぞれに違う恋人を作り帰ってこない。今も生きてるのか、それすらわからないしどうでもいい。
 銀行に生活費と高校の授業料と家賃だけは振り込まれているから、とりあえずは生きているんだろう。
 大学生の兄も一人暮らしをしていて、一切連絡はない。
 今さら勉強する気もなく、ぼーっとテレビのチャンネル回す。音楽チャンネルで止まって、それをBGMにくだらない思考が溢れだす。
 俺がこの家で死んだら、誰が気付くんだろう。
 俺を犯しに来た誰かが気付くんだろうけど、ビビって逃げてしまうかな。

 俺の病気は進行する。少しづつ、少しづつ、気付けない程の早さで、俺の体は死の病気に蝕まれていく。