浣腸2つの効果は絶大だった。いつもより強い効き目で、内臓が摘まれて捻られるように痛い。ガスも溜まって、さっきからプスプスとすかしそこねた屁が漏れている。
「はあ、はあ、はあ、うっ……く、うう……」
広い講義室の一番後ろ、ど真ん中に2人並んで陣取った。周りに人はいないから、多少息が荒くなったところで、それが聞こえているのはあいつだけだ。
最初は間隔のあった便意の波も次第に間を置かず、堪え切れない痛みがずっと続いた。あまりの痛みに吐き気すら覚えた。
「まじ、無理、つらい、はく、吐く、う、あっ、あ、あ、ん、んん、ん……」
頭の中にはトイレの3文字しかない。早くトイレに行き、思いのままに解放されたかった。
そんなおれに追い打ちをかけようと、あいつが手を伸ばしてくる。
「やめろ、ほんとやめろ」
あいつはトイレでしたように、再びおれのジーンズのチャックを下ろした。チャックにおれのちんこを挟むのが目的ではないようだ。あの痛みを思い出して身体が震え上がった。
布の中、萎えきったちんこをそっと握られる。
「蒸れてるな」
「当たり前だ」
額からは脂汗、手も濡れて身体中の体温が上がり、全身から汗が吹き出ていた。
それを特に気にするわけでもなく、あいつはおれのちんこを確かめるように根元からひと擦りする。
「うあ、やめろ、くあ、あ」
あいつが狙ったのは尿道口だった。そこに親指の腹を押し当て、ぐりぐりと刺激される。
「ほんと、あ、あん、ん、あ、や、めろ、」
湧き上がるのは快楽ではなく、強烈な尿意だった。
「ひ、い、いっ、」
ぴゅる、ぴゅる、便意を堪えるので精一杯なおれは、小便を少量ずつもらしていく。
「やばいやばいやばいやばい」
あいつの腕を掴んで声を上げた。小便に釣られてうんこまで出ていきそうだ。あいつの腕を掴んで止めてくれという意思表示をするが、あいつはわかってくれる気がない。
尿道口にあてがわれた親指を、離したり当てたりを繰り返される。ささやかな刺激でしかないが、便意尿意を堪える身体は敏感になっている。
「いいよ、出せ出せ。この教室にマーキングしろ」
亀頭を優しく擦られるといよいよ我慢も限界に達した。もう、無理だ。そうして身体の力を抜くと間も無く尿が尿道を下る快感に震える。
「やっぱダメ」
「ひっ……ぃ、」
思わず叫びそうになった悲鳴を必死で堪える。尿が出始めた尿道口に親指の腹を押し当て、ぴったりと蓋されてしまったからだ。
尿が逆流する痛みから逃れようと腰を振るが、あいつの指が離れることはない。
腕に縋り付くと指を少しずらし、隙間をくれる。ぴしゅっ、ぴしゅっと少しずつやっと出るくらいの小さな隙間。むしろ放尿しようと力まなければ出て行かない。
そんな事をすればもう一方も崩壊する。
ぶぴっ……ぐりゅっ……ぶりゅぶりゅ……。
汚い音、悪臭、教室の後ろの方にいる人間に微かに届く程度だった。それでも公共の場で漏らしている。その背徳感にはぞくぞくするほど興奮した。
「あ……あ……」